特定居住用財産の買換え特例

2023-10-13

不動産


こんにちは!Nice・D(ナイスディ)株式会社です。
税金が安くなる「マイホームを売ったときの5つの特例」制度の3回目です。
今回は、「特定居住用財産の買換え特例」について勉強してみましょう!
さっそく、見ていきましょう!

【適用を受けられる可能性がある5つの特例】
1.  3,000万円特別控除
2.  10年超所有軽減税率の特例
3.  特定居住用財産の買換え特例
4.  居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除
5.  特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除


3.「特定居住用財産の買換え特例」


居住用の不動産(=マイホーム)を売却した金額より、買い換えたマイホームの購入金額の方が
大きければ課税さないという制度です。
この制度は、税金が免除されるものではなく、事実上税金の繰延べです。
この売却した譲渡資産(=売却したマイホーム)に対する税金(譲渡所得税)は、買換え資産(=購入したマイホーム)に引き継がれ、この新たに購入したマイホームを売却するときに繰延べた譲渡益を加えて課税されます。
この際、売却した不動産(=譲渡資産)の「取得費」は、次の購入した不動産(=買換え資産)に引き継がれますが、「取得日」は引き継がれません。この特例を受けるためには、税務署に確定申告をしなければなりません。

不動産の売却時には、税金(=譲渡所得)の計算が必要です。
譲渡所得とは、売却価格―購入価格=利益が出ている場合は、税金を納める必要があります。

『譲渡所得の計算』
①譲渡(=売却)代金 > 買換え代金の場合
・譲渡収入金額=譲渡代金−買換え代金
・取得費・譲渡費用=(譲渡資産の取得費+譲渡費用)×譲渡収入金額÷譲渡代金
・譲渡所得=譲渡収入金額−取得費・譲渡費用

②譲渡(=売却)代金 ≦ 買換え代金の場合
譲渡所得はなし

【適用条件】
①居住用の不動産でなければならない。 その主として住んでいる自宅を売却したとき
②居住の用に供さなくなった日から3年を経過する日の属する年の年末までに売却したとき
③家屋を取壊した場合は、上記②の範囲内で家屋を取壊した日から1年以内に
その敷地の売却に関する契約が締結されているとき(取壊し後、敷地を賃貸その他の用に供した場合には不可)
④転勤等で単身赴任の場合、配偶者等が居住している家屋を売却したとき
(2つの家屋を所有する場合は、主たる居住用家屋)

【共通条項】
①共有の居住用財産を譲渡した場合、共有者の持分の範囲内において各人毎に適用
②住宅ローン控除との重複適用は不可
③譲渡する相手が、譲渡者の配偶者や親・子など直系血族、生計を一にする親族、同族会社等でないこと

【その他】
①譲渡する日の属する年の1月1日で所有期間10年超の居住用財産を譲渡し、居住用財産を買換え取得する場合に
適用される特例。3,000万円特別控除、10年超所有軽減税率の特例との重複適用はできない。
②平成29年12月31日までに譲渡したものに限る

【所有期間】譲渡した年の1月1日で、家屋と土地の所有期間がともに10年超
【居住期間】通算10年以上
【連年適用の制限】前年、前々年において、3,000万円特別控除、10年超所有軽減税率の特例の適用を受けていないこと
【譲渡資産の譲渡価額】1億円以下(売却する自宅の売却価格が)
【税額の計算】
・譲渡代金≦買換え代金の時は譲渡益の課税が繰り延べられる
・譲渡代金>買換え代金の時は買換え代金に充当した額に相当する課税は繰り延べられ、
超えた譲渡代金、買換え代金との差額に長期の所得税・住民税がかかる

【買換え資産の要件】
①取得期限
・譲渡年の前年1月1日から譲渡年の12月31日
・譲渡年に取得することができず翌年中に取得する見込みの時は税務署長の承認を得て、
譲渡年の翌年の12月31日まで延長が可能
②居住の用に供する期限
・買換え資産を取得した日から譲渡年の翌年12月31日
・譲渡年の翌年に取得した時は譲渡年の翌々年12月31日
③面積制限
買い替える建物の床面積50㎡以上(登記簿面積)かつ土地の面積の500㎡以下である
④経過年数
 中古のマンション等の耐火建築物は新築後25年以内のものまたは新耐震基準に適合していることが証明されたものや、
既存住宅売買瑕疵保険に加入している一定のもの。※木造は制限なし

特定居住用財産の買換え特例は、基本的に建物の所有者に適用されます。
しかし、土地と建物の所有者が異なった場合でも、土地の所有者と建物の所有者が、
譲渡(=売却)時から居住の用に供すべき期間(=新居を取得した年の翌年末)まで
生計を一緒にする親族関係があるという条件に加えて、次の要件を満たしたときは
特例の適用を受けることができます。

①譲渡資産(売却したマイホーム)
・敷地所有者の所有期間10年以上
・敷地所有者の居住期間10年以上
・敷地と建物の同時譲渡
・敷地所有者と建物所有者が譲渡時に同居
②買換資産(購入したマイホーム)
・居住用の建物・敷地を取得すること
・買換え資産は譲渡資産の収入割合に応じて取得
・買換え資産の取得期限内までに取得
・譲渡した敷地所有者・建物所有者ともに買換え資産に居住する

特定居住用財産の買換え特例は、
売却した前年、前々年にこの「①3,000万円特別控除」と「②10年超所有軽減税率の特例」を受けていないことも条件。
その他、親子間や夫婦間で不動産を売買した場合には適用することはできません。

重複して適用することができない特例
・収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例
・交換処分等に伴い資産を取得した場合の課税の特例
・換地処分等に伴い資産を取得した場合の課税の特例
・収用交換等の場合の譲渡所得等の特別控除
・特定の事業用資産の買換えの場合の譲渡所得の課税の特例
・特定の事業用資産を交換した場合の譲渡所得の課税の特例
・大規模な住宅地等造成事業の施行区域内にある土地等の造成のための交換等の場合の譲渡所得の課税の特例
・認定事業用地適正化計画の事業用地の区域内にある土地等の交換等の場合の譲渡所得の課税の特例
・承継業務の事業計画の施行区域内にある土地等の交換の場合の譲渡所得の課税の特例
・特定普通財産とその隣接する土地等の交換の場合の譲渡所得の課税の特例
※特殊な要件などについては国税庁のHP参照

☆店舗兼住宅の場合の居住用の買換え・事業用の買換えの場合
店舗兼住宅とその土地を譲渡(=売却)し、そのお金で土地付きの店舗兼住宅を取得(=購入)して、
特定居住用財産の買換え特例の制度を適用したい場合、家屋の床面積50㎡以上(登記簿面積)
かつ土地の面積の500㎡以下という条件があります。
これについては、買換え資産の家屋(=建物)は、居住用部分の床面積が50㎡以上という基準で判定します。
買換え資産の土地は、全体部分の土地面積で判定します。
居住用部分、店舗部分は原則として面積の比により判定することになっています。

☆おまけ
「3,000万円特別控除」か「特定居住用財産の買換え特例」のどちらが有利か、気になりますね!
例題で計算してみましょう。

〔例題〕
相続により取得した自宅を令和4年12月に8,000万円で売却した。
取得費は不明で、10年超所有しており、譲渡費用は300万円だった。

1.「3,000万円特別控除」を適用した場合
・譲渡所得を求める→譲渡所得=譲渡収入−(取得費+譲渡費)
8,000万円−(8,000万円×5%+300万円)=7,300万円

・「3,000万円特別控除」を適用する
7,300万円−3,000万円=4,300万円
10年超所有しているので「10年超所有軽減税率の特例」を適用することができる。

結果:所得税・住民税=4,300万円×14.21%=6,110,300円

3.「特定居住用財産の買換え特例」を適用した場合
上記と同じ条件で譲渡(=売却)し、取得費を含む5,000万円の物件に買換えた場合。

・譲渡(=売却)収入費用=8,000万円−5,000万円=3,000万円
(8,000万円×5%+300万円)×3,000万円÷8,000万円=2,625,000円
・譲渡所得=3,000万円-262.5万円=27,375,000円
※「譲渡代金>買換え代金」の場合には、その差額について長期譲渡所得の税率(20.315%)で課税される

結果:所得税・住民税=27,375,000円×20.315%=5,561,231円

よって、このケースでは「特定居住用財産の買換え特例」を選択した方がお得になります。
※ただし、この取得費は将来売却した時に引き継がれることに注意が必要です。
このように、3,000万円特別控除と特定居住用財産の買換え特例のどちらを選択した方が有利かは、あなた自身の状況によっても異なりますので、計算して求める必要があります。

☆「ナイスディ」では、福岡市早良区西新を中心に福岡全域で不動産売却のサポートをしています。
何でもお気軽にご相談ください。

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