不動産など相続が発生した時に、物理的に分割できない財産の分割方法について知っておきましょう。
大切な相続財産です。円滑に相続手続きを進めたいですね。そこで、相続財産の分割方法の1つである「代償分割」を考えてみましょう。
福岡市全般、特に福岡市早良区西新を中心に、大野城市やその周辺エリアで、不動産を相続するご予定のある方はぜひ参考にご覧ください。
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代償分割とは・・・
決められた相続人が不動産を相続する代わりに、他の相続人に対しては代償金を支払う分割方法です。
代償金の金額は、法定相続分(=民法上で認められている割合)に準じて計算します。
法定相続分
配偶者と子どもが相続人の場合:配偶者 2分の1、子ども2分の1
配偶者と直系尊属(親など)が相続人の場合:配偶者 3分の2、親 3分の1
配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合:配偶者 4分の3、兄弟姉妹 4分の1
例)
3,000万円の不動産を、配偶者と子ども二人が相続し代償分割をおこなうとしましょう。
この場合、配偶者である父か母が不動産を取得するのであれば、二人の子どもに1,500万円の代償金を支払う必要があります。
代償分割以外の分割方法
不動産の分割方法には、代償分割のほかに①現物分割と②換価分割があります。
①現物分割とは
財産の形を変えずにそのままの状態で相続することです。
遺産として、土地と建物があり、姉が建物、弟が土地を相続する場合などです。
②換価分割とは
相続した不動産を売却して得た代金を相続人全員で分け合うことです。
相続した不動産を時価4,000万円で売却し、相続人が子ども2人の場合、それぞれが2,000万円ずつ受け取ることです。
財産の分割方法としてもっとも一般的なのは現物分割ですが、遺産が建物しかない場合等、物理的に分割ができないため、
代償分割や換価分割を検討する必要があります。
メリット
①不動産が共有名義になるのを防げる
不動産は、現金や預貯金のように均等に分けることができません。
そこで「とりあえず共有名義にしておこう」というケースは少なくありません。
ただし、不動産を共有名義にすると、「不動産を売却したい」となった時には、相続人全員の同意が必要になります。
誰か1人でも売却に反対した場合は、売却の手続きが進められません。
相続時には、連絡を取り合っていた兄弟姉妹でも、後には疎遠になっていたり、売却の同意が取れないという可能性もでてきます。
代償分割であれば、不動産は単独名義となるため、ほかの相続人と関係なく売却ができ、トラブルを回避できます。
②公平に分割できる
相続財産の大部分が不動産の場合、誰か1人が不動産を相続すると、不公平が生じて様々なトラブルに発展する可能性があります。
たとえば不動産3,000万円と預貯金1,000万円を相続しました。兄弟で現物分割する場合に、兄が不動産を相続すると言った場合、弟は?
2,000万円の違いがあるのですから、納得はできないでしょう。
代償分割であれば、兄が不動産を相続したとしても、代償金として1,000万円を弟に支払うとなると、公平に分割できます。
不公平感を小さくし納得の上なら、相続手続きもスムーズに進められるでしょう。
デメリット
①評価方法を巡りトラブルになることがある
代償分割をおこなう際、相続する不動産の評価を行わなければいけません。
ただし、不動産の評価方法は1つだけではありません。
評価方法をめぐって、相続人の間でトラブルになる可能性もあります。
もし、話し合いを重ねても双方が納得しない場合は、裁判所に調停を申し立てることになります。
お互い不快な思いや仲たがいなど、精神的にもつらく、時間と手間もかかってしまいます。
②不動産を相続する方に資力(財力)が必要
代償分割は、不動産を相続する方に代償金を支払うだけの資力が必要になります。
不動産は、財産のなかでも高額になりやすいため、代償金の捻出に苦労する可能性が高くなります。
資力がないと現実には利用できないのが、代償分割のデメリットといえます。
相続不動産を代償分割する際は、遺産分割協議書の書き方に注意しましょう。
遺産分割協議書とは、遺産分割協議でまとめた内容を記載する書面です。
相続人間の話し合いで財産をどのように分割するか決めたら、遺産分割協議書を作成します。
代償分割をおこなう場合は、遺産分割協議書に必ず代償分割をおこなった旨を記載しなければなりません。
なぜなら、代償分割をおこなった旨を記載がないと、代償金に対して贈与税がかかる可能性があるからです。
遺産分割協議書には対象財産の種類や金額、支払い時期などを必ず記載しておきましょう。
代償分割では、遺産だけでなく代償金も相続税の課税対象となります。
課税価格の求め方は、代償金の金額をどのように定めたかによって異なるため注意が必要です。
①代償金を支払った方の課税対象額
【計算式】
不動産を相続税評価額で評価した場合:課税価格=相続税評価額ー支払った代償金
不動産を時価で評価した場合:課税価格=時価ー{支払った代償金×(相続税評価額÷時価)}
②代償金を受け取った方の課税対象額
不動産を相続税評価額で評価した場合:受け取った代償金
不動産を時価で評価した場合:受け取った代償金×(相続税評価額÷時価)
③代償金以外に取得した財産がある場合
その財産に上記を加算して相続税を計算する必要があります。
例)①
相続税評価額が4,000万円の不動産を長女が相続する代わりに、次女に対して2,000万円の代償金を支払った。
長女の課税対象額=「4,000万円ー2,000万円=2,000万円」
次女の課税対象額は、そのまま2,000万円となります。
例)②
時価をもとに代償金の金額を定めた場合の相続税
相続税評価額が4,000万円、時価が5,000万円の不動産を長女が取得して、次女に2,000万円の代償金を支払った。
長女の課税対象額=「4,000万円ー{2,000万円×(4,000万円÷5,000万円)}=2,400万円」
次女の課税対象額=「2,000万円 × (4,000万円÷5,000万円)=1,600万円」
まとめ
相続した大切な財産です。トラブルにならないようにしたいものです。
代償分割は、財産を公平に分割できる一方、不動産を相続する方に代償金を支払えるだけの資力が必要になります。
メリットとデメリットを踏まえた上で、代償分割をするか検討しましょう。
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